2年ほど前、私は運よく宝箱を手に入れました。
その宝箱を私に持ってきたのは、五匹の猫です。
蓋をあけると夢が噴水のように飛び出してきました。そして夢はどんどん膨らみました。
まるで大きな宝箱みたいですね。パリの街の開店前の・・・ |
この宝箱はキオスクでした |
宝箱というのは、実は私が購入した古い4階建てのアパートです。
今になって考えると、保証人なし、担保なし、低金利で私が買えたのが不思議です。
どうもこれは、猫たちの後押しがあったからだと直感しました。
五匹の猫たちです |
ギリシャでは、猫を大切にしていると、いざというときに命を懸けて護ってくれるという言い伝えがあるそうです。アパートの名前は住む人たちを護ってくれるよう、「五匹の猫」にしようと思いました。
ちょっと洒落て、フランス語でLES CINQ CHATS(レ・サンク・シャ)。
ちょっと言いにくいけど、いいかなと…。
このアパートは大通りに面していて、1階は店舗の作りになっています。
しだいに、私はそこに、人と人、人と猫をつなぐ場所を作りたいと考えるようになりました。
私に何かさせようと企んでいる五匹の猫の筆頭は風ちゃん。
昨年、16歳で天国に帰ってしまいました。我が家の守り猫でした。
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風ちゃん・・・ |
新入りの猫のお世話をしたり、野良猫を我が家に連れてきたり…。新入りの子猫が可愛がられてもひがむことはなく、子猫を苛めることもなく、懐の深さは人間も見習わないといけないなと思わせるような猫でした。
終生、私を見守り、多くのことを教えてくれた猫でした。
そんな風ちゃんに、モンマルトルのテルトル広場で再会しました。
画家たちが集まる私の好きな場所のひとつです。
風ちゃんそっくりの絵があったのです。もう、他の絵は目に入らなくなってしまいました。
風ちゃんの絵を、私が作る場所のお守りにしようと思いました。
人と人、人と猫がつながる素敵な場所を作りたい。風ちゃんがきっと見守ってくれます。
お会いできますように・・・